時宗|不信人でも救われる遊行の宗派

仏教

時宗も、浄土宗のひとつであり、阿弥陀如来を本尊にしており、念仏でも『南無阿弥陀仏』をとなえています。浄土宗との最大の違いは、阿弥陀如来を信じなくてもかまわないと説いています。また、念仏札と踊り念仏でも知られています。

時宗とは

宗祖/一遍(いっぺん)

日本伝来/1274年

主な経典/『阿弥陀経』『無量寿経』『観無量寿経』

おとなえ/南無阿弥陀仏

本尊/阿弥陀如来、南無阿弥陀仏の文字

総本山/清浄光寺(通称:遊行寺)(神奈川県藤沢市)

特徴/『南無阿弥陀仏』と書かれた念仏札を配る遊行の旅で、自然発生した宗派。すでに人々は阿弥陀如来によって救われているので、不信心者(神仏を信じない者)でも救いを求める必要はないと説く。

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念仏札を配って全国行脚

時宗の宗祖である一遍は、ほかの宗祖たちと少し毛色が違う。なにしろみずから宗派を開かず、寺院をもたず、著作すら残さずに全国を遊行(布教の旅)し続けたのです。その足跡は、南は鹿児島県、北は岩手県までと、ほぼ全国に及んでいます。旅を続けるうちに、一遍の周りにはともに遊行する僧や信徒たちが次々と増えていき、いつしか彼らは「時衆」と呼ばれる大集団になりました。他宗派同様に「宗」の字を用いるようになったのは、江戸時代以後のことで、時宗教団として発展していきます。

一遍は13歳で法然の孫弟子にあたる聖達(しょうたつ)に弟子入りして、浄土宗を学びます。その後一度は還俗して結婚するが、32歳頃に妻子を捨ててふたたび出家。身ひとつで遊行を始める。浄土宗を学んでいたため、一遍は「南無阿弥陀仏」と書いた念仏札を道行く人々に手渡しながら各地を練り歩いた。しかし高野山を経て熊野へ参る途中、ある僧から受け取りを拒否されてしまいます。「自分は阿弥陀如来を信仰していないから」というのが理由でした。

一遍は念仏札の受け取り拒否に頭を悩ませました。そして熊野本宮に参詣した時、山伏の姿をした熊野権現(阿弥陀如来)が現れてこういわれました。「信心も不信心も選ばず、念仏札を配るべし」。

ここで一遍は信じる、信じないにかかわらず、阿弥陀如来はすべての衆生をすでに救っていると思い至ったのです。そして「南無阿弥陀仏」の札に「決定往生六十万人」の文字を追加し、人々に念仏札を配り続けた。

救いを求めてはならない

浄土宗の教えでは、阿弥陀如来を信じ、往生するまでひたすら「南無阿弥陀仏」ととなえることで救われると説いています。それに対して時宗は、信じていなくてもかまわないとしているのが最大の特徴です。また、「南無阿弥陀仏」といった名号自体に功績があるので、それをかならずしも口にはしません。

もし信心がなければ救われないとするなら、物心がつく前の赤ん坊などは救われないということになる。また念仏をとなえることができない人、片腕をなくして手を合わせることができない人もいるかもしれない。そんなことをしなくても救ってくださるのが阿弥陀如来なのです。その存在を知らしめるために一遍は念仏札を配り続けたのです。

一遍は阿弥陀如来にすがる必要もなく、むしろ救いを求めて念仏をとなえたところで、往生できないとも説いています。これはいったい、どういうことなのでしょうか。

時宗で重視される『無量寿経』には、かつて法蔵菩薩という修行僧が無上なる悟りを得ようと志し、すべての衆生を救おうとするための本願として四十八願を立て、そのすべてを満たしたから阿弥陀如来になったと書かれています。つまり阿弥陀如来はすべての人々を救ったからこそ阿弥陀如来になったというわけです。そうなると人々は、すでに救われていることになります。

しかし阿弥陀如来にすがって「南無阿弥陀仏」ととなえることは、まだ救われていないと断言しているようなものです。だから阿弥陀如来も存在しないことになります。存在しない阿弥陀如来に救いを求めたところで、救われるはずもない。だからこそ救いを求めず、阿弥陀如来のおかげで、すでに救われていると思うこと。それによって阿弥陀如来は存在することになり、真の幸福が訪れるのです。

踊り念仏

念仏札を配りながら布教を続ける一遍の旅には、いつしか多くの人々が同行するようになりました。一遍の遊行集団は各地の民衆に熱狂的に迎えられ、民衆とともに「踊り念仏」を行いました。踊り念仏とは、太鼓や鉦(かね)などを打ち鳴らして、踊りながら念仏を唱えることをいいます。踊り念仏の「踊り」は、念仏の喜びを自由に体で表現したものでした。

現在の盆踊りのルーツともいわれています。

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